高校の美術講師だったころのイラストです。アクリルガッシュ
絵の具を大きく分けると乾いても水をつければ、何度でも使用できる「通常の水彩絵具」と乾くとカチカチに固まって使えなくなる「アクリル絵の具」があります。
小学校の図画工作で使う絵の具が前者で、中学校・高校の美術で使うアクリルガッシュ、ポスターカラーなどが絵の具がアクリル絵の具と言って後者になります。
水性ペンキもアクリルが入ると、乾くと耐水性になり外部でも耐候性に優れています。
便利がいい反面、対処を間違えると大切な衣類や床など取り返しがつかないことになりかねません。
今日はアクリル絵の具の性質を押さえたうえで、頑固で中々落ないアクリル絵の具の落とし方、パレットやズボンに付いた絵の具を取る方法をご紹介します。
このようにアクリル絵の具は水分がなくなるとすぐ乾いてしまい、固まってしまいます。
油絵と違い早く乾くので、その日のうちにいくらでも重ね塗りができるのが特徴です。
逆にじわっとグラデーションしたいのに、もたもたしていると、乾いてしまい、急に色合いが変わってしまいます。
(遅乾メディウムを使うと、ぼかしやグラデーションができるようになります。)
絵の具が服に付かないようにするには
当然ですが、作業衣やエプロンはこのためにあります。袖付きのものがベストでしょうが、男性ものはなかなかありませんので、腕カバーでもいいでしょう。
もしくは古着など、汚れてもいい格好で臨みましょう。
服にアクリル絵の具がついてしまったら?
一番重要なのは乾かないうちに処理することです。もし服に絵の具が着いても、慌てずにすぐに水洗いをしてください。
石鹸や中性洗剤+重曹を繊維になじませ、擦って落とします。
更にスチームアイロンで蒸気だけを当て、洗剤+重曹を付けた歯ブラシなどでたたくように擦ると尚きれいに取れます。
最後に水洗い、そのまま洗濯機で洗うとより目立たなくなるでしょう。
絵の具が固まって取れなくなった時は?
時間がたち固まってしまったら、一か八かスチームアイロンと洗剤+重曹で試してみてください。
それでもダメな場合は、一番身近にあるのは灯油です。
灯油を少量付け、こすり合わせて色が溶け出したら、中性洗剤か石鹸をつけて、更に揉み洗いをします。
以前私の失敗したのが、除光液(ラッカー薄め液)でズボンの絵の具を落としたことがあります。
絵具は溶けて落ちたのですが、繊維が侵されて穴が開きました。
くれぐれも強い溶剤は使用しないでください。
水溶性ネイル専用リムーバーの「キュアリムーバー 」をお持ちでしたら、取れるかもしれません。
ラッカー系の除光液などは確実に繊維を傷めます。
どうしても色が落ないときは、筆が固まった場合に使う「ブラシエイド」(筆用クリーナー)もあります。
アクリル絵具が固まってしまった筆の洗浄に使用するものです。高価な服は必ず実験をしてからにしてください。
最後の手段で更に強力な「アクリル絵の具用リムーバー・剥離剤」は硬く固まった絵の具を剥がしてくれます。
こちらも強力なので高価な服は使わないのが無難です。
高価な服はクリーニング屋さんが間違いないです。
透明水彩用パレットは洗わない!?
こちらは透明水彩用の絵の具になります。小学生の図画工作でスケッチ、風景画、読書感想画など描くのに使います。
こちらの絵の具はアクリル絵の具ではないので、水を入れれば何回でもよみがえりますので、パレットは1回1回洗わずに使用します。
学校では授業のたびにきれいにしていると思いますが、それでは絵の具がもったいないですよね。
パレットは極端に汚くなった時に洗うようにしましょう。または全部洗わずに、1つの枠ごとテッシュで拭き取ってもいいでしょう。
ただし、カビが生えたり、パレットを横にすると流れてくるような水分の多い絵の具はその都度洗うようにしましょう。
アクリル絵の具の落とし方パレット編
こうなる前に描き終えたら、その都度パレットを上部まで水に浸しておきます。
その日にある程度は落としておいて、次の日まで水に浸しておくと、スポンジで軽くなでると簡単に取ることができます。
こちらは洗わずに放置し続けたパレット。ある程度の絵の具の固まりがあれば、爪や割り箸などでぼろっと取れます。
その後、「アクリル絵の具用リムーバー・剥離剤¥750前後」で硬く固まった絵の具がも剥がしやすくなります。
パレットのお手入れは定期的に行いましょう。リムーバーはリキテックスというメーカーが有名です。アクリル絵の具のメーカになります。
アクリル絵の具の落とし方のまとめ
最初に申し上げましたが、急がば回れです、汚れを落とす努力をするより、面倒ですが、まずエプロンや作業着を着るなどして、汚れない服装で作業に取り掛かりましょう。
もしも服に着いたときは、すぐ水かお湯で洗うこと。
間違っても除光液などを使わず、自分で落としきれない場合は
クリーニング屋さんに依頼しましょう。
筆類は丸いので、横にしておくとコロコロと転がります。カーペットや畳・板の間に転がることもあるかと思います。
このように空き缶を利用した筆たてを用意しておくと、大事な描きかけの絵の上に筆が転げて、台無しにしなくて済みます。
最後にもう一つ筆のお手入れも怠らないようにしましょう。
筆は絵を描く上で一番重要な道具になります。
特に繊細な描写の時に使う面相筆はその穂先がまとまらないと細い線が描けません。
アクリル絵の具で筆先を固まらせないように心がけ、使い終わった後は水でよく洗い、布で余分な水分を拭き取り、穂先を整えてから自然乾燥させましょう。
絵筆は穂先が命です。最初についていたキャップなどは毛を巻き込んだりしますので、使いません。
以上、アクリル絵の具性質と落とし方と筆の管理の仕方でした。
上手に描ける水彩画のコツが凝縮
自宅で水彩画が学べる一番人気の水彩画教材になります。
最大の特徴は下絵の描き方から絵の具の使い方・完成までDVDで見ることができること。
真似をするだけで絵がどんどん上達してくるんです。
この夏親子で水彩画の勉強してはいかがですか?自由研究にまとめてもいいかもです!
水彩画の道具とテキストがセットになっている「ユーキャンの水彩画講座」
「水彩画」と検索ください
↓ ↓ ↓
生涯学習のユーキャン