趣味が高じて劇団の舞台の背景画(ポスターの原画にも使用)を描くことになりました。
地域の歴史を元に作った芝居の舞台幕ですが、少し高い位置から見下ろした感じのいわゆる鳥瞰図風にしていこうと思います。
今日は舞台の背景幕作りに必要な材料や描く上でのポイントなどをまとめてみました。
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必要な道具と材料
- 元絵:縦横何等分か線を引いておく
- キャラコ布(糊付き)元絵と同じ縦横の縮尺で縫製する
- 木枠:四隅を押しピンもしくはタッカーで止めます
- 鉛筆(2B,3Bあたり)と消しゴム
- 絵の具:ターナーのネオカラー(ホームセンターかネット注文)ツヤなしで反射しない
- ペンキ用筆、彩色筆
- あればコンプレッサーとスプレーガン
- 脚立
背景幕の作り方
布を縫製して大きな幕にする
巨大な布は私もだいぶ探しましたが、まず存在しないようです。
ですから布地屋さんで必要な布(糊つきのキャラコ)をメータ買いして自分で縫製します。
裏側にジョイントを設けミシンで縫います。
断面の拡大図
布の表
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布の裏 ミシン目で左右に折り返す
大きさにもよりますが、できれば2人以上でしわが寄らないように縫っていきましょう。
一番上にはバトンに吊るためのヒモを約1m~1.5m間隔で縫製します。
1m幅のキャラコ布をミシンで縫製します。図は縦3m×横6mの布
キャラコ布に描くには糊付きの面が絵の具の乗りがいいと思います。
舞台幕に下絵を描く
あらかじめ元絵と布に同じ縮尺で碁盤目を引き、拡大していきます。
プロジェクターなどの投影機があれば、四隅を合わせてなぞっていきます。
下絵は2B、4Bなどの濃いめの鉛筆で元の絵を見ながら写します。
木枠に布を張って固定する
木の枠に仮止めし、軽く水だけを布にガン吹き(口に含んで霧吹きでもOK)して伸びたところで、四隅の布を張りながらタッカーか押しピンで止めていきます。
なぜ木枠に布を張るかというと、そのままブルーシートなどの上で描くと、ベタ塗りしたところは布の後ろに絵の具が回り込み(毛細管現象)、裏地に染み出してしまうからです。
更に乾くと布がカパカパになってしまい、布の表面がまっすぐになりません。
布に絵を描くにはある程度の張りがないとうまく筆が乗せられないので、できるだけ均一に木枠に伸ばして止めます。
のぼり旗製作の場合もこのように空中に浮かして絵を描いていきます。
下地塗り
最も多い色の箇所の下地を最初に粗塗りします。
水性のスプレーでもいいのですが、大量に要りますので、コンプレッサー・エアーガンをお持ちの場合はガン吹きをおすすめします。
水を塗らずにいきなり絵の具を塗りますと、刷毛目ができたりムラの原因になります。
この方法ですとグラデーションもできます。
画材は舞台用の水性塗料ターナーの「ネオカラー」が最適です。できれば蓋で密閉するタイプが乾燥しないので長持ちします。
ペンキと違って艶がないので反射しません。不透明塗料です。
筆で輪郭や細部を描きこむ
ある程度ガン吹きが終わったら、細部を筆で描いていきます。
この時筆についた絵の具が画面にポタリと落ちることもありますので、布の上部をほんの少し手前に斜めに傾けて固定しておくと絵の具が落ちても布面に落ちる心配がなくなります。
何度も落としてしまいましたが、一旦ついた絵の具を消そうとしても同じ色にするのは難しいです。
また、必要以上に厚塗りしてしまうことがありますが、色の無駄ですし、後々亀裂が入り落ちてしまうこともあります。
おわりに
以上、今日は~布の縫製から着色まで~【舞台の背景幕の作り方】をお伝えしました。
芝居や発表会の「背景幕」を予算をかけずにできるだけきれいに仕上げる手順が伝わったでしょうか。
今回は舞台幕の作り方でしたが、次回舞台装置の作り方もお伝えしようと思います。
舞台幕と公演終了のショット
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