友人が家で飼っている猫に腕をひっかかれて、「猫ひっかき病」にかかってしまいました。
すぐに病院に行けば良かったのでしょうが、傷口が腫れてから診察・治療を行ったので、腕の関節が伸びないなどの後遺症が結構続いたということです。
猫や犬・鳥などのペットを家族同然にかわいがっているご家庭も多いと思いますが、どんなに可愛くてもペットから感染する病気があるということを認識しておく必要があります。
結論から申し上げると、野生・ペットの猫に噛まれたり、爪で引っかかれたりした場合は、病院に行きその趣旨を説明して手当を受けた方がよさそうです。
特に赤ちゃん・小さいお子さんや免疫力が弱ったお年寄りをお持ちの方は注意しましょう!
今日は友人を重篤におとしめた猫からうつる病気「猫ひっかき病」について調べてみましたので、ペットを悪者にしないためにも是非ペットとの正しい接し方を見直してみましょう。
猫ひっかき病の原因
「猫ひっかき病」は猫が保有している 「バルトネラ・ヘンセラ菌」 (ネコ自体は症状がない)が皮膚をひっかいたり、牙で噛んだり時には傷口を舐めただけでも感染するといいます。
日本の猫の9〜15%がこの菌を保有しており、雌猫より雄猫の割合が多いとされています。
それは雄猫の方が活動的で他の猫と接触するので、菌がうつされる可能性が増えるためです。
猫から猫への菌の伝播には「ネコノミ」がその吸血によって感染を広げると言われています。
「バルトネラ・ヘンセラ菌」は猫ばかりでなく、犬やサルからの感染も報告されているようです。
また、希にひっかかれなくても感染した「ネコノミ」が人間を刺して「バルトネラ・ヘンセラ菌」 が体内に入ることもあるので、皮膚に異常を感じたら、迷わず病院に行くことをおすすめします。
猫ひっかき病の症状
友人の場合、傷口が腫れてきたので、あわてて病院に行きました。
消毒とお薬をいただいたようですが、土日を挟むうちにみるみる症状が悪化し腕が腫れあがったので、大きな病院に変更しました。
抗生物質の点滴を受けて様子をみてましたが、病状が一向に改善しないので入院することになりました。
この友人は数か月前に帯状疱疹を発症していて、免疫力の低下もあってか今回、症状が悪化したのかもしれません。
ウィキペディアによると
受傷部が数日から4週間程の度潜伏期間後に虫刺されの様に赤く腫れる。
典型的には、疼痛のあるリンパ節腫脹、37℃程度の発熱、倦怠感、関節痛など。
まれに重症化する事があり、肝臓や脾臓の多発性結節性病変、肺炎、脳炎、心内膜炎、肉芽腫、急性脳症などの発症例が報告されている。
とあります。
リンパ節が炎症を起こすので、非常に体がだるく、手の傷も痛み、車の運転もやっとのことだったと聞きました。
感染を防止するには?
猫やペットからの感染防止策として
- 猫に触れた後は手洗いを習慣にする
- 猫を家から出さない
- 口移しでエサを与えるなど過度な接触を避ける
- 外出後にはシャワーなど清潔を保つ(ネコダニの付着を取るため)
- 規則正しい食生活を送る(免疫力をもつ)
特に免疫力の弱いお子さんやお年寄りがいる家庭は要注意です。
「猫ひっかき病」の他にも猫が感染源となる病気として、
- パスツレラ症 10~90%の猫が保菌 痛みと腫れ
- エルシニア症 発熱、下痢、腹痛などの胃腸炎症
- サルモネラ症 急性胃腸炎
- カンピロバクター症
- カプノサイトファーガ・カニモルサス症
- トキソプラズマ症
などがあります。
猫にひっかかれた時は?
流水で洗い流し消毒後、念のため病院に行った方がいいでしょう。
必ず「猫に引っかかれたこと」をお医者さんに伝えることが重要です。
おわりに
発症して一月あまりになりますが、未だに仕事に復帰していない友人ですが、今後趣味のスポーツもできるかどうか心配です。
かわいがっている猫ちゃんのあまりに恩知らずの行動ですが、当の本人は自分が菌を持っているなんてわからないですよね。
ですから、どんなにかわいい猫ちゃんでも何らかの菌を持っていると思っていた方がよさそうです。
(猫の他にも犬や小鳥も病気や菌を持っているといいます。)
ペットへの愛情が憎悪に変わらないためにも、一線を置いて過度の接触は避けるようにしましょう。
また、小さいころから外出させないようしつけていくこともむやみな繁殖や今回のような病気の予防にもつながると思います。