今から19年前、1996年の若かりし頃の仕事になりますが、巨大な人形、ガリバーとカラクリの仕事の写真が出てきました。
内容はリリパット王国にガリバーが訪れ、様々な出し物を見入っているところをカラクリ仕掛けにしたものでした。
宮崎のデパートにおいていましたが、残念ながら今は撤去されています。当時はガリバーの巨大壁画の横で動くカラクリ時計として観客に時を知らせて人気がありました。
今日は写真が数枚しかありませんが、アルバムから発泡スチロールの人形の作り方を振り返って解説します。
必要な材料と道具
- 発泡スチロール板(ウレタンフォーム10cm厚み)
- ノコギリ(塩ビパイプを切るのが細くて使いやすい)
- カッターナイフ大(刃が折れるので注意)
- ワイヤーブラシ(成形の仕上げに使います。)
- FRP(溶剤とガラス繊維、凝固剤、タンカルは増粘剤)
- 着色(今回はウレタン塗料)他の人形はアクリル絵の具
発布スチロールの積層
厚さ10cmのスチロールを積層して塊を作ります。接着は防水用のコーキング剤。割り箸の釘で固まるまで打ち付けて固定させます。
カラクリ本体のお城:ベニアと角材とFRPでレンガを作っています。巨大ガリバーのようにポーズを撮って模型を作ります。
ガリバーの模型になります。これを数倍に拡大し模刻していきます。
足までスチロールの積層終了。
お城とだいぶ形になってきた巨大人形。
疲れたのか、なにか黄昏ています。暑さの中の肉体労働とFRPのガラス繊維&固まる時の有毒の臭いで相当疲れが貯まります。
いきなり完成写真です。写真がありませんが、スチロール成形ができたら、溶けないFRPをガラス繊維と積層していきます。グラインダーで磨きパテ埋め、積層を繰り返し、ウレタン塗装して終了です。色が短調にならないように、下地塗りの上にドライブラッシング的に上塗りを施しています。
反対側。中央をいろんなからくりの人々がパレードします。
ガリバーの顔は人形作家の岩切さんの製作したもの。いろんな方が関わっています。
おわりに
FRP製の人形は今回のように発泡スチロールなどで躯体を作ったものに張り付けていくものと、粘土で成形したものを、石膏やシリコンで型どり、その型にFRPを積層して合わせていくものと大まかに2通りあります。
作るものが巨大になれば粘土成形はかなりの重量となってきますので、スチロールの上に直接FRP張りがてっとり早いと思います。ヘラのタッチなど、細かい表情が作れないのが難点です。