お彼岸には家族そろってお墓参りに行ったり、仏壇をきれいにしてお供え物をしたりしますね。なぜお彼岸にお墓参りやお供えをするのでしょうか?

我が家は故郷にあるお墓を数年前に「墓じまい」しましたので、春のお彼岸は今住んでいる所のお寺の納骨堂での墓参りとなりました。

改めて考えると「そもそもお彼岸って何をするの?」「お彼岸のお供え物は?」「法要に呼ばれたけど服装と用意するものは?」などの疑問が湧いてきますね。

また、「お墓参りや、法事に欠席する際のマナー」も気になります。

今回は、「お彼岸の意味や由来、お墓参りのお花やお供え物、お彼岸の法要やお墓参りのポイント、お寺へのお礼などの一般的な内容」をまとめました。

この機会にお彼岸の知識を深め、地域の慣わしなども覚えておきましょう!

お彼岸のお供え物は何を用意する?

仏壇にはお花、牡丹餅(ぼたもち)、お菓子、新しいロウソクやお線香、故人の好物などをお供えします。

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春のお彼岸はこしあんで作った「牡丹餅」、秋にはつぶあんで作った「お萩」をお供えします。

あずきの赤い色が邪気を払う色とされているために「ぼたもち」をお供えします。

最近のぼたもちは彩りを工夫して、きな粉や青のりをかける方もいらっしゃいます。

その土地や伝統の風習がある場合はそれに従いましょう。

お彼岸は何をする日?

改めてお彼岸とは?と聞かれると自信がない人が多いと思います。お彼岸について簡単にまとめましたので順を追って見ていきましょう。

お彼岸の由来は?

「彼岸」とは向こうの岸、つまりご先祖様がいる世界「極楽浄土」を意味します。
サンスクリット語である「波羅蜜多」(パーラミター)を漢語に訳した「到彼岸」が由来となります。

お彼岸に仏事を行えば極楽浄土へ行けるとされています。仏教では西方浄土と言って西に仏様(ご先祖様)がいることから、太陽が真西に沈むこの彼岸の時期にご先祖様の霊を供養します

お彼岸には何をするの?

お彼岸には仏壇を掃除し、お花やお供え物を用意します。

一般的には、ご先祖様を供養するために家族や親戚でお墓参りに行き、その後食事をします。

お寺の「彼岸会(ひがんえ)」という行事にも参加する家庭もあります。お彼岸の時期にお墓参りをする風習は日本独自のようです。

お墓参りはいつ行けばいいの?時間は?

お彼岸に親族が集まってお墓参りに行く場合は、なるべく午前中に済ませましょう。

ただし霊園・寺院が混み合うため、時間や日にちをずらす家庭もあるようです。

お墓参りのお花やお供えは?

お墓参りの際、お花は霊園・寺院近くのお花屋さんに予約しておくとスムーズです。

「仏花(ぶっか)」として予算を伝えれば用意をしてくれます。さらにお供え物、お線香やライターは必須です。

線香 お墓参り

お供えは故人の好物や、持ち運びしやすいお菓子や果物などが良いですね。

お墓参りに必要なもの

  • 数珠:仏さまを拝んだり、お経を上げる時に使います。正式な数珠は108個の玉がつながっています。   
  • 手桶・ひしゃく:お墓をきれいにするために水を入れた手桶とお墓にかけるひしゃくが必要です。(お寺に用意してあるところもあります。)   
  • ろうそく・線香:火をつけて煙を出します。ライター(着火マン)もお忘れなく。線香の火は手で仰いで消しましょう。   
  • お供え物:季節の花や故人の嗜好品などをお供えします。   

お墓参りで気をつけること

お墓のお掃除は皆で丁寧に行いますが、お彼岸の期間は大変混んでいるため、周りの人への気遣いも忘れないようにしましょう。

また、お酒などを墓石にかけると傷む原因になります。缶コーヒーなども放置すると錆が石に付くことがあります。

雑草や生花の古いものは袋に入れて持ち帰りましょう。空き地などに捨てないように。

飲食物のお供えが禁止の霊園は、お参りが終わったら持ち帰りましょう。

お線香が最後まで燃えつきたか確認をしましょう。借りた手桶やひしゃく、ブラシは必ず元の場所に返却し、ゴミも片付けましょう。お墓参りのマナーは子供にも伝えていきたいですね。

自宅での法要の場合は?

親族が亡くなって初めてお彼岸を迎える場合は、丁寧に供養を行う家庭が多く見られます。

始めてのお彼岸は?

親族が亡くなって初めて迎えるお彼岸を「初彼岸」と呼びます。

家族や親族が集まり、僧侶を招いて読経をしてもらいます。

帰る際にお礼としてお布施、お車代、御膳料を各々の袋に用意し、切手盆と呼ばれるお盆に乗せてお渡しします。(宗派により異なります)

袋の種類や金額は地域によって異なるため、お寺に予約する際に聞いておくと安心ですよ。

彼岸会やお彼岸法要とは?

お彼岸の期間、お寺では彼岸会や合同法要が行われ、お付き合いのある家庭は参加します。

お寺で行う内容は?

故人の供養を行い、仏教の「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる教えを聞きながらお茶とお菓子、軽食をいただくのが一般的です。

地域の人や檀家さんとの交流の場でもあるようです。参加する際は「お数珠」も忘れずに用意しましょう。

お供えやお布施は?

お寺へのお礼は「お布施」という形でお渡しします。表は「お布施」と書き記します。

菓子折りを渡す場合の掛け紙は「御供」か「御供物」と書くのが良いでしょう。

掛け紙の種類は地域によって様々なので、確認してから用意すると安心です。

なお、お布施と菓子折りを両方お渡しする時は一般的に掛け紙をしません。

お彼岸の法要の際の服装は?

お寺で行う法要は正式なものなので、ダークスーツが無難です。子供もなるべく地味な色合いの服を選びましょう。

地域によっては、3回忌までの行事は喪服を着るという所もあります。年長者に聞くなどして、それぞれの風習に従いましょう。

お彼岸の法要に行けない時は?

用事があって、お彼岸の集まりや法要に行けない場合もありますね。
親族のお付き合いを大切にするためにも、丁寧な対応を心がけましょう。

招待されている場合

早い時期に欠席することを丁重にお伝えしましょう。
欠席する場合は、法要の前日までにお供え用の花やお菓子などを送るのがマナーです。

現金や果物、お線香、きれいなろうそく、故人の好物なども選ばれています。別便でお手紙も送ると、より丁寧な対応になります。

親族のお墓参りだけの場合

食事会などの集まりがなくお墓参りのみの場合は、日をずらして行けば大丈夫です。

お墓参りをして手を合わせる気持ちは、充分にご先祖様の供養になりますよ。

春のお彼岸のお供えは・法要や供養のまとめ

春のお彼岸のお墓参りや、法要と供養についてお話ししてきました。

お彼岸の意味、お墓参りや法要など、日本には様々な伝統があります。

地域や家庭によって引き継がれている内容が異なるので、それぞれのやり方に従うのが良いですね。

四季のある日本に生まれたご縁を大切にし、春のお彼岸には皆でお墓参りに出かけましょう。