「水彩画」と聞くと、あなたはこんなことをイメージするのではないでしょうか?
「ああ!学校で描いたやつね。」
「下絵までは良かったんだけど、よく塗りで失敗したなぁ。」
「孫が学校で習っていたから道具はあるよ!」
など、学校教育で習った水彩画を思い出しますよね。
プロの使っている水彩絵の具と、小学生が使っている水彩絵の具は実は全く違うもの、だったんです。
上が透明水彩えのぐ、下が不透明水彩えのぐ(アクリルガッシュ)
これって、学校で使っていた絵の具と違いますよね。
でも、先生に騙された!なんて怒らないでください。
この違いにはちゃんとした理由があったんです。
今日は学校では教えてくれなかった「透明水彩と不透明水彩の違い」と「透明水彩で使わない絵の具は?」の2本立てを解説していこうと思います。
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透明水彩と不透明水彩の違い
学校で使う絵の具は「半透明水彩」や「不透明水彩」と呼ばれる絵の具です。
これに対して、プロが使う水彩絵の具は「透明水彩」という絵の具になります。
「プロの水彩画と素人の水彩画って、なんか全然違う。」
それは元々使用するの絵の具が違っていたんですね。
みずみずしさを出そうとしても透明感のない絵の具ではなかなか表現できないのです。
透明水彩で描いた絵「さびしいかしの木」の一部(筆者作)
二つの絵の具の違いは、まずお値段が異なります。
内容量で比べると透明水彩のほうが高価になります。
さらに、これが一番の違いなのですが、透明水彩のほうが子どもや初心者には扱いにくいのです。
反対に、半透明水彩や不透明水彩は扱いやすくて、お手頃な価格です。
子どもにとって「扱いやすい」という点はかなり大きいですよね。
子供は絵の具の量の心配など気にしませんから、チューブからどっと出しちゃうんですね。
なので、プロの水彩画と、学校で描いていた水彩画の印象がぜんぜん違うのは当然なんですね。
それなら、プロの使っている透明水彩を使えば、誰でも素晴らしい水彩画を描けるのか、
というと、そんなに簡単にはいきません。
「絵ごころ」があるか、ないかが問題になってきます。
「絵ごころ」とは対象を見る目や筆さばき、色の再現など感覚によるものが大きいのですが、
それを習得するために、人は画塾や絵画教室などで「絵ごころ」を磨くわけです。
透明水彩は意外と扱いにくい画材なので、
絵具の色のチョイス、水で薄める加減、パレットで混色するのか、紙の上で色を重ね塗りするのかなど、
失敗を幾度も重ねることにより水彩の基本を会得できるのです。
透明水彩で使わない絵の具は?
2つの絵の具の違いを説明しましたが、更に中身のえのぐの色について違いを解説していきます。
水彩絵の具の箱の中には大体12色の絵の具が入っていますよね。
さて、ここで問題です。透明水彩を描く場合、絵の具箱に入っているけど、使わない方がいいえのぐって何色でしょうか?
「せっかく12色あるのだから、全部使ったほうがいいに決まっている!」
「白と黒はすぐなくなるので、大きいチューブが用意されているものもあるよね。」
などと声が聞こえてきそうですが、
透明水彩はパレットの中で色を作るのではなく、色と色が重なったり、ズレたりしたところに「色の重なり」ができて「みずみずしさ・透明感が出る」のが最大の特徴となります。
白色を他の色に入れてしまうと、明度があがり、いろんな色のバリエーションが増えますが、その瞬間に不透明水彩となり、透明感がなくなり、重ねてもみずみずしさが出てこなくなります。
でも小学校では白えのぐ使っていたよ!
小学校の図画で色を作るのに、肌色は赤と白とちょっと黄色など、何でもすぐに白を入れて色を作ってましたね。
何でもかんでも白を混ぜていたので、だから白色がすぐに失くなってしまっていたんです。
この絵の具の使い方は、実は「不透明水彩」の描き方だったんですね。
「では、透明水彩でどうやって白色を表現するのか?」という疑問が出てくると思いますが、答えは簡単です。
「水彩紙の白さをそのまま利用すれば」いいのです。
色のついた紙に描く場合は別として、通常の白い水彩紙では「白い絵の具」を使わずに、紙の白さを考慮して目的の色に近づける描き方をしてみてください。
失敗したとあきらめるのではなく、不透明水彩にしてしまえば、透明感は無くなりますが何度でも描き直すことができます。
不透明水彩(アクリルガッシュ)で描いた人物のイラスト(筆者作)
以上、今日は「透明水彩と不透明水彩の違い」と「透明水彩で使わない絵の具は?」をお伝えしました。
水彩画の長年の疑問がいくらか解消したでしょうか?
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