水彩画をいきなり描こうと思っても、実際のモチーフは立体なので、奥行があり、比率やバランスなど、うまく形がとれない場合があります。
そんな時は、一から描こうと思わずに、ちょっとズルをしちゃいましょう。
今流行の大人の塗り絵のように、輪郭を自分でトレースしてしまえばいいのです。
今日は水彩画初心者でも失敗しないために、誰でも挑戦できる「トレース似顔絵の描き方&上手く描コツ」をお伝えしていこうと思います。
この方法で今まで下絵に苦労していたあなたも世界にただ一つのオリジナルの似顔絵が描けるようになるでしょう。
どうぞ参考にしてください!
似顔絵はトレース技法 + デフォルメで!
私は似顔絵を描くとき時に良くこのトレース技法を使います。
人の顔はちょとしたバランスの狂いで全然似なくなってしまうので、この方法は最適だと思います。
ただし、そのまま写すだけでは芸がないので、三頭身にしてデフォルメ(単純・強調)したり、何か特色を持たせたりしてオリジナル感を出します。
似ている上に、ただの写し絵ではないので、必ずと言っていいほど喜ばれますので、ぜひ試してみてください。
トレース似顔絵に必要な道具
・水彩紙:反らない水彩イラストボード紙がおすすめです。
・カーボン紙(黒)
・ボールペン(赤)かシャープペンシル
・鉛筆(陰影や細かい描きこみに)
・消しゴム
・水彩絵の具(透明、不透明好みで)
下絵とカーボン紙、水彩イラストボード紙
トレース似顔絵の描き方
下絵・元絵の準備
デジカメや、スマホで写真を撮って、ちょうどいい大きさにプリントアウトします。
静物など、実物大くらいの大きさが描きやすくていいでしょう。
下絵・元絵のトレース
下絵がズレないようにマスキングテープか絆創膏で上部2箇所止めます。(カーボンは止めなくて結構です)
必要な部分だけをチョイスして、カーボン紙(黒)を敷いて、赤ボールペンかシャーペンでなぞっていきます。
カーボン紙が無い場合は、下絵の裏に濃い鉛筆を塗りつぶしていきます。転写する所だけでOKです。
なぞる筆圧はできるだけ同じにしましょう。細かい部分や薄い色のところは力を抜いて薄めに。
同じ個所を2回引くと線が二重になるので、それを避けるために赤ボールペンで描きます。
カーボンは消しゴムで消えないので、慎重に!
写し忘れがないか、途中でチェックを忘れずに。(カーボン紙がないところを一所懸命なぞる場合がありますので)
体を小さくしてデェフォルメします。下絵のトレース
着彩・着色
元の写真(実物があれば両方)を見ながら、着彩します。
広い面積の部分から塗りすすめ、
細かい箇所は面相筆など穂先が細い筆で仕上げます。
彩色途中(アクリルガッシュ使用)
水彩絵の具を塗る時のポイント
透明水彩は基本、紙の白さを活かして彩色を施します。
白くテカりのあるところなど、白を混ぜるとどうしても色がにごってしまうので、紙の白さを残してできるだけ塗らないようにすると、透明感のある絵が出来上がります。
透明水彩は下の線が残ります。あえて鉛筆で陰影や髪の毛などを描くことで立体感や質感を出すことができます。
どうしても、全部塗ってしまった場合は、気にぜずに後から白など塗り重ねても全然大丈夫です。
極端な話、透明水彩がいつの間にか不透明になっても結構です。
自分が納得がいくまで、描いていってください。
不透明水彩(アクリルガッシュなど)で描く場合下の色や線が見えなくなりますので、いくらでも描き直しがききます。
微妙に色を違えてリアルな絵を描くことも可能になります。もちろん薄く塗れば、透明感も出せる絵の具です。
透明、不透明こだわらずに臨機応変な使い方をしていきましょう。
(水彩画の部分:アクリルガッシュ)
(水彩画の部分:アクリルガッシュ)
彩色のポイント
どんなに下絵が良くても彩色の良し悪しで作品は決まりますので、慎重に計画的に行いましょう。
彩色(色塗り)は背景から行います。
塗りむらが出ないように、あらかじめ水だけを大筆で塗っておき、色の付いた絵筆で塗り進めていくといいでしょう。
色を変えてグラデーションにしても変化が出てきます。
人物は肌色のベースが1色目を塗り、肌色の濃い色(影の部分)で2色目、肌色の明るい色(光沢の部分)の3色目を写真を見ながら塗り足していくとリアルな絵になってきます。
顔や体に当たる光と陰影をこの3色で大まかに表現します。
最後に細かい眉毛や鼻の穴、目の輪郭や瞳の光沢などを付けるとよりリアル感が増してきます。
最初から完璧を狙うのではなく、徐々に上手くなる気持ちで描いていかないと挫折してしまいます。
あくまでも楽しく描いてオリジナルな絵に仕上がればOKなのではないでしょうか。
おわりに
以上、今日は「トレース似顔絵の描き方&上手く描くポイント」をお伝えしました。
下絵に苦労したり、形がうまく表現できない方はこのトレース水彩画で塗り絵のように絵を描くことができます。
慣れてくると、あまり時間をかけなくてもみずみずしい、透明水彩が描けるようになります。
トレース水彩で絵を描くコツがわかりだせば、その次のステップとして
実際の静物や風景、人物を描いてみるのもいいでしょう。
その場合もスマホなどで写真を撮っておくと比率などの狂いが分かったりして便利です。
ネットで見つけた参考動画
この方は強くトレースしてカーボン紙の線が濃く出るようにしています。
トレース水彩画実践編② ぼたんえびを描く